国際基準以上の視点で考える、クリック強度の重要性はめ込み式フローリングは
本当に外れない?
引張強度試験で検証
はめ込み式フローリングeucaの製品試験のうち、日本の厳しい四季の温度変化に対応するために必要な「引張強度」について、国際規格の合格基準と実際の試験値を比較してみました。
はめ込み式フローリング
接合部の強度を
自社試験で検証しました!

一般的なはめ込み式フローリングは、「壁際に隙間をあけて伸縮を逃がす」ことが前提とされています。実際、ほとんどの製品にその注意書きがあります。
しかしRESTAは、その“常識”に疑問を持ちました。
たとえば、施工後に重い家具や冷蔵庫を置いた場合。
はめ込み式フローリングは、本当に自由に伸縮できているのでしょうか。
つまり、「隙間で伸縮を逃がす」という考え方そのものが、実際の住環境では成立しないケースもあるのではないか。私たちは、そこに着目しました。
この疑問を製造工場にも何度も投げかけましたが、明確な答えが返ってくることはありませんでした。
だからこそRESTAは、“隙間に頼る前提”ではなく、“隙間に頼らなくても安定する床材”を目指して、素材や構造、施工条件の検証を重ねてきました。
その結果導き出されたのが、「施工温度」と「クリック強度」の重要性です。
特に施工温度は、施工直後の伸縮挙動に大きく影響します。
さらに、クリック強度が不足していると、伸縮時の力に耐えきれず、目地の浮きや破損につながることもあります。
RESTAは、“ただ施工できる”ではなく、「実際の暮らしの中で、長く安定して使えるか」という視点で、はめ込み式フローリングを考えています。
【はめ込み式フローリング
高温試験】
55℃の過酷な環境でも
接合部は壊れないのか?
逃げ場のない膨張に耐えられるのか検証を行いました。

まず私たちは、冬場の施工環境を想定し、5℃の低温環境で施工した床材を、両端を固定した状態のまま55℃まで一気に加熱する実験を行いました。
「実際には動けない状況でも、クリック部が耐えられるのか」を確認するための検証です。

- 40℃付近から膨張による軽微な「浮き」は発生
- しかし、クリック部の破断や致命的な損傷は一切なし
つまり、逃げ場のない状態でも、クリック部分そのものが膨張圧力に耐えられる強度を持っていることが確認できました。
もちろん、膨張自体がゼロになるわけではありません。
しかし重要なのは、「膨張した時に壊れるかどうか」です。

実際、低品質なはめ込み式フローリングでは、膨張による圧力に耐えきれず、ジョイント部分が突き上がりサネや目地が破損するケースも確認されています。
RESTAは、単に“施工できる床材”ではなく、温度変化や実生活の荷重環境まで想定したうえで、「壊れにくい構造か」を重視しています。
【はめ込み式フローリング
低温試験】
接合部は何℃で破損するのか?
限界温度を検証
最大の弱点は「収縮による引っ張り」
はめ込み式フローリングを提供する多くのメーカーは、「温度上昇による膨張・突き上げ」を大きなリスクとして説明しています。
しかしRESTAは、検証を進める中で、はめ込み式フローリングが本当に壊れやすいのは、むしろ“温度低下による収縮”だと考えました。
なぜなら、膨張時は床材同士が押し合う力ですが、収縮時にはクリック部分に“引っ張り方向”の力がかかるためです。
そこで次に、55℃で一度クランプを緩め再固定した状態から、徐々に温度を下げる検証を行いました。

- 55℃→約18℃(温度差27℃)でクリックに破断が発生
この試験結果をもとに計算すると、23℃の環境で施工した場合、理論上は約-14℃相当までの温度変化に耐えられる計算になります。
さらに重要なのが、SPC素材の特性です。
SPCは低温になるほど素材自体が硬くなり、熱による軟化も起こりにくいため、実際の低温環境ではさらに安定した状態を維持しやすくなります。
つまり、適切な施工温度で施工することで、日本の一般的な室内環境で想定される温度変化は、十分にカバー可能だと私たちは考えています。
RESTAは、「隙間を空けてください」という注意喚起だけではなく、“なぜ壊れるのか”を構造と温度変化から検証し、実際の住環境に基づいて製品を設計しています。
※床下地に緩やかな湾曲がある場合など、施工環境によってはより小さな温度変化で破断や変形が発生します。
国際規格合格基準値でも安心できない!はめ込み式フローリングに
必要な引張強度とは?
国際規格 ISO10582で定義される
引張強度
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日本では、はめ込み式フローリングはまだ発展途上のカテゴリであり、2026年5月現在、日本工業規格(JIS)においても明確な規定や評価基準は定義されていません。
海外でははめ込み式フローリングが広く普及しており、国際標準化機構(ISO)によって性能基準も定められています。
規格の正式名称は「Resilient floor coverings — Heterogeneous poly(vinyl chloride) floor coverings — Specifications」、和訳すると「弾性床材 — 多層構成のポリ塩化ビニル系床材 — 仕様」となります。
ISO10582で定義される
引張強度の合格基準値
引張強度の合格基準は、下記のような数値で定義されています。
しかしRESTAでは、最も厳しい基準である「2.0kN/m」であっても、
実使用環境を考えると十分な強度とは言えないと考えています。
| 用途 | 合格基準値 |
|---|---|
| 住宅用 クラス21-22 |
定義なし(すぐ壊れても合格) |
| 商業用の中〜重歩行 クラス31-33 |
1.5kN/m |
| 商業用の極重歩行 クラス34 |
2.0kN/m |
「クリックeuca」は合格基準を
大きく上回る引張強度
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RESTAでは、実際の「クリックeuca」を使用して、クリック部分の引張強度試験を実施しています。
その結果、測定値は4.20kN/mを記録しました。
(※実測値であり、保証値ではありません)これは、ISOで定義される最も厳しい基準値「2.0kN/m」と比較しても、2倍以上の強度があることを示しています。
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この強さをイメージしやすく表現すると、
幅15cmの木目柄クリックeucaを連結した状態で、約60kgの人がぶら下がって、ようやく破損するレベルの強度です。
なぜ合格基準値の
「2倍」の強度が必要か?
温度試験の結果からも分かるように、4.2kN/mという高い引張強度を持つクリックeucaであっても、約−27℃相当の温度変化ではクリック部に変形が発生しました。
温度変化による伸縮力は、基本的に温度差に比例します。
つまり、クリック強度が低くなれば、それだけ小さな温度変化でも破損リスクが高まるということです。
この考え方をもとに計算すると、ISOの最も厳しい合格基準である「2.0kN/m」の場合、27℃ × 2.0 ÷ 4.2 ≒ 約13℃となり、クリック部の両端が固定された条件では、約13℃の温度低下でクリックが外れる計算になります。
つまり、日本の住宅環境では、季節や日射条件によって床表面温度は13℃を超えて変化するため、ISOの重歩行基準の合格値でも不十分です。
これはSPCというとても硬い特性を持つ素材であるからこそ特に考慮すべきポイントです。
まとめ
はめ込み式フローリングの
引張強度

はめ込み式フローリングは、現在流通している製品のほとんどが海外製です。
そのため、日本特有の住環境に合わせて設計された製品は、ほとんど存在しません。
もちろん、世界標準であるISO規格に合格していることは重要です。
しかし、それだけで日本の環境でも安心して使えるとは限らないと、RESTAは考えています。
日本は、四季による温度変化が大きく、世界的に見ても床材に厳しい環境になりやすい国です。
だからこそクリックeucaは、単に国際規格の合格基準を満たすだけではなく、日本の建材や住環境を熟知したRESTAだからこそできる視点で、日本の環境に合わせた製品設計を行っています。
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【余談...】
RESTAでは、工場から提示された試験結果をそのまま鵜呑みにせず、独自に簡易試験装置を製作し、クリック部の引張強度試験も実施しました。
その結果、幅6cmのクリック部分は約25kg の力で外れ、換算すると約4.08kN/mとなることを確認。
この数値は工場側の試験結果ともほぼ一致しており、一方で他製品では半分以下の結果となるケースも確認されています。
引用規格:
ISO 10582:2017
Resilient floor coverings — Heterogeneous poly(vinyl chloride) floor coverings — Specifications
ISO 24334:2014
Laminates and resilient floor coverings — Determination of locking strength for panels laid without adhesive
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