フローリング・フロアタイルの「UC(使用クラス)」を解説!

世界で使用されているヨーロッパのフローリング規格を知る フローリング・フロアタイルの
「UC(使用クラス)」を解説!

フローリングやフロアタイルにおける「UC(使用クラス)」は、欧州規格(EN ISO 10874)に基づいた床材の使用場所に対する適合性と耐久性の指標です。このページでは、UCクラスの基本構成から、分類・用途例、AC(耐摩耗レベル)との関係性など詳しく紹介します。

フローリング・フロアタイルのUC(使用クラス)とは

UCとは

「UC」とは、Use Class(使用クラス)の略称で、主に欧州で広く採用されている床材の使用耐久性に関する評価基準です。正式にはEN 685という旧規格から、現在ではEN ISO 10874という国際規格に移行しており、住宅や商業施設、工業施設など、使用される場所ごとの床材の適合性を判定するための指標となっています。
この使用クラスは、単に床材の「丈夫さ」だけでなく、その製品がどのような環境下での使用にどこまで耐えられるのかを数値的に分類しています。たとえば、人の歩行頻度が少ない寝室のような場所と、常に多数の人が出入りする空港や商業施設とでは、求められる耐久性がまったく異なります。
UCは、そのような環境ごとの「床材にかかる負荷(通行頻度、摩耗、荷重、衝撃など)」を想定し、住宅用(21~23)、商業用(31~34)、工業用(41~43)といったカテゴリに分けられ、それぞれに「軽度・中程度・高頻度・非常に高頻度」といった使用強度レベルが設定されています。
この基準を把握することで、床材を選ぶ際に「見た目」だけでなく「性能と用途の適合性」にも着目できるようになり、施工後のトラブルや早期劣化のリスクを大幅に軽減することができます。

国内製フローリングとUC表記の実情

UC(Use Class)はヨーロッパのEN規格に基づいた評価基準であり、主に欧州製品(ラミネート、ビニル系、SPCなど)で採用されています。
一方、日本国内メーカーはJIS(日本工業規格)や社内基準で性能を評価しており、「UC○○」のような欧州式表記をカタログに載せることはほとんどありません。
近いレベルで耐久性や用途適性を確認できる項目としては、日本国内メーカー品の場合、「耐摩耗試験(JIS A 1453など)」「衝撃試験(スチールボール落下試験など)」「耐荷重性能」「住宅向け・店舗用などの用途表記」等が挙げられます。

UC(使用クラス)の基本構成

UCは「2桁の番号」で構成されており、
以下のように分類されます。

1桁目「使用用途」の分類

数字 用途分類 主な使用場所の例
2 住宅用 リビング、寝室など
3 商業用 店舗、オフィスなど
4 工業用 工場、倉庫など

2桁目「使用強度」の分類

数字 耐久性
レベル
想定される人の動き・
荷重の頻度
1 低い 軽歩行(例:寝室など)
2 中程度 中程度の通行(例:リビング)
3 高い 高頻度の通行や衝撃
4 最高 非常に高頻度の通行・衝撃・荷重

使用用途と使用頻度は
何を基準に決まる?

まず、1桁目の「使用用途」ですが、製品がどのような空間で使われるか(住宅/商業/工業)で定められます。この分類は、「空間の性質」や「床にかかる人の動き・設備の使用」が大きく異なるため、別々に設定されています。

次に、2桁目の「使用強度」ですが、その空間内で、どれだけ頻繁に・強く・長く使われるかで決まります。この強度の設定は、試験方法に基づく実際の性能評価によって客観的に決まります。

使用クラスの決定に使われる
主な試験内容(EN規格)
試験内容 評価する性能 備考
耐摩耗性試験 表面がすり減るまでの耐久性 AC値(EN 13329)と連動
衝撃試験 重い物が落下したときの破損耐性 スチールボール落下試験など
家具脚による傷の耐性 荷重集中による変形・破損の程度 固定・回転型脚を用いた模擬テスト
キャスター椅子試験 移動による摩耗・圧力への耐久性 連続走行試験
耐薬品性試験 洗剤・消毒液・薬品への耐性 商業・工業用途で特に重要
寸法安定性 湿度・温度変化での寸法変化率 床鳴りや反りの抑制にも直結

UC(使用クラス)の
代表的な分類と用途例

UCクラスの分類と使用目的一覧

使用クラス 用途 特徴
    21 住宅用・軽度(例:寝室) 通行が少なく、軽い使用に適している
    22 住宅用・中程度(例:リビング) 日常的な通行に対応
    23 住宅用・高頻度(例:廊下、玄関) 頻繁な通行にも耐える設計
    31 商業用・軽度(例:ホテル客室) 軽度な商業利用に適している
    32 商業用・中程度(例:オフィス、教室) 定期的な使用・中程度の通行にも耐える
    33 商業用・高頻度(例:ショップ、ロビー) 非常に高い耐久性が必要な場所に適応
    34 商業用・非常に高頻度(例:空港) 常に人が行き交う場所に耐える高耐久
  41~43 工業用 重荷重・設備搬入・フォークリフト対応など

UC表示の見方と活用方法

  • UC表示
  • 多くの欧州系床材製品では、商品パッケージやカタログ、製品裏面ラベルなどにUC表示がアイコン形式で記載されています。
    例えば、製品のラベルやカタログに「使用クラス33」などと表示されていれば、それは商業用で高頻度な使用に適していることを意味し、非常に高い耐久性が求められる場所に対応できる製品であることがわかります。
    高耐久であれば住宅でも使用可能ですが、逆に住宅用クラス(21~23)を商業施設で使うのはNGです。

UC(使用クラス)と
AC(耐摩耗レベル)の
違いと関係性

「UC」は、用途と耐久性の「総合的な適合」を示した指標であるのに対し、「AC」はその中でも特に「表面摩耗にどれだけ強いか」を数値化したものになります。

例えば...

■ 使用クラス33(商業用高頻度)には、
最低でもAC4~AC5の耐摩耗性が必要とされることが多い。

■ 逆に、AC4でもUCが23であれば
「高摩耗には強いけれど、通行荷重にはやや弱い」可能性があるとも言える。

項目 UC(使用クラス) AC(耐摩耗レベル)
基準 EN ISO 10874(旧 EN 685) EN 13329(主にラミネート)
意味 利用場所・使用頻度に対する総合評価 耐摩耗性(表面の摩耗強度)の指標
対象範囲 通行頻度・荷重・衝撃・耐久性など総合 表面のみ
数字表記 21~43(2桁) AC1~AC6(1桁)

UC(使用クラス)で
商品を選ぶ際のポイント

選ぶ際のポイントとしては、AC値は表面強度、
UCはトータルな耐久性能と考えると◎

  • 住宅用(一般家庭のリビング・廊下など)

    UC22~23を目安に

    住宅で使用する場合は、通行頻度や負荷が商業施設よりも少ないため、UC22(中程度)~UC23(高頻度)が選ぶ基準になります。
    特に以下のような空間には、それぞれに合ったUCクラスを選びましょう。

    【UC22】
    寝室や書斎など、通行が少ない部屋に最適。

    【UC23】
    リビングや玄関、廊下など、人の出入りが多いエリアに適した強度。

    ※住宅内でも、小さな子どもやペットがいる場合はUC23以上の耐久性を選ぶとより安心です。

  • 商業施設(オフィス・店舗・ロビーなど)

    UC32~34を選ぶ

    店舗やオフィスなど不特定多数が出入りする場所では、住宅用より高い耐久性が求められます。
    そのため、UC32(中程度)~UC34(非常に高頻度)が推奨されます。

    【UC32】
    オフィス、カフェ、ホテルの客室などに対応。

    【UC33】
    ショップ、ロビー、飲食店など、日常的に多くの来訪がある場所向け

    【UC34】
    空港や駅構内、大型ショッピングモールなど、非常に高い通行量にも耐える設計。

    ※UCクラスが高いほど、摩耗・荷重・衝撃・清掃への耐性が優れており、メンテナンス性も良好です。

  • 工業用途(重荷重・設備搬入など)

    UC41以上を基準に

    工場や物流倉庫などでは、人だけでなく台車やフォークリフトなどの機械的な荷重も加わるため、UC41以上が必須です。

    【UC41】
    軽度な工業用途(作業場など)

    【UC42~43】
    重量物・搬送設備(フォークリフトなど)の使用も想定した高耐久仕様。

    ※工業用では表面の耐摩耗性(AC値)に加え、衝撃吸収性・防滑性・耐薬品性などの総合的性能もチェックポイントになります。

そもそもUC(使用クラス)やAC(耐摩耗レベル)は、土足文化である海外の規格のため日本国内の一般的な使用においては、十分な耐性があるといえるのではないでしょうか。

UCランクで選ぶ
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  • 使用クラス:UC33ショップ・ロビー・飲食店など
    通行量が多く、高い耐久性が必要な場所に

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    税込9,904円/ケース
    カラーチップ
    9mm厚 10枚入(約2.467m2 使用クラス:UC33
  • 使用クラス:UC32オフィス・カフェ・ホテルの客室など
    定期的な使用頻度、中程度の通行に対応

    並べるだけで空間にリズムと奥行が生まれるヘリンボーンフローリング。一般的なヘリンボーンと異なり、1種類の板で貼れる優れた施工性。最大24耐水の優れた防水性も兼ね備えています。

    税込4,994円/ケース
    カラーチップ
    8mm厚 11枚入(約1.179m2 使用クラス:UC32

フローリング・フロアタイルのUC(使用クラス)まとめ

UC(使用クラス)早見表

使用強度
使用用途
2
住宅用
3
商業用
4
工業用
1 低い
(軽度)
21
寝室など

通行の少ない軽い使用に適している
31
ホテルの客室など

軽度な商業利用に適している
41
軽作業エリアなど

小規模設備や軽歩行に対応
2 中程度 22
リビングなど

日常的な通行に対応
32
オフィス・教室など

定期的な使用や中程度の通行にも耐える
42
製造現場、工場など

中型設備や工具使用に耐える
3 高い
(高頻度)
23
廊下・玄関など

頻繁な通行にも耐える設計
33
ショップ・ロビーなど

非常に高い耐久性が必要な場所に適応
43
重機やフォークリフトが走行する倉庫など

最上級の耐荷重、耐衝撃、耐摩耗性能
4 最高
(非常に
高頻度)
- 34
空港など

常に人が行き交う非常に高頻度な通行に耐える高耐久
-

フローリングやフロアタイルを選ぶ際、UC(使用クラス)は使用場所に応じた耐久性を示す重要な指標です。住宅にはUC22~23、商業施設にはUC32~34、工業用途にはUC41以上を基準に選ぶことで、長く安心して使用できます。AC(耐摩耗クラス)は表面の摩耗耐性を示すもので、UCと併せて確認することで、用途に最適な製品選びが可能になります。使用環境に応じた適切なクラス選定が、床材の寿命と快適性を大きく左右します。

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