他では知れない”正しい情報”を徹底解説!
上貼りフローリングDIYの
よくある失敗とその対策
誰でも簡単にDIYできる上貼りフローリング。ですが、誤った知識や商品選びで失敗してしまう方も少なくありません。このページでは、DIY専門店が“失敗を防ぐための正しい知識と選び方”をわかりやすく解説します。
上貼りフローリングは、一見どれも同じように見えますが、
実際には素材や構造の違いによって、仕上がりや耐久性に大きな差が生まれます。
本来であれば、販売店が施工後に不具合が起きないかを検証し、
適切な施工方法を案内する責任があります。
しかし残念ながら、十分な確認を行わずに販売されているケースも少なくありません。
ここでは、そうした商品選びの段階で生じた間違いが原因となった失敗例をご紹介します。
温度・湿度変化による
「突き上げ」や「すき間」の
発生

上貼りフローリングのDIYで最もよくあるトラブルが、「突き上げ」や「すき間」の発生です。
フローリング材は、木質系・樹脂系を問わず、温度や湿度の変化によって伸び縮みします。この特性を考慮せずに施工すると、季節の変化とともに不具合が起こることに。
特に、樹脂製のフローリングは温度変化の影響を受けやすく、冬に貼ったものが夏には膨張して突き上がったり、夏に施工したものが冬になると収縮してすき間が目立ったりします。
原因はフローリングの素材と
施工方法の不一致です。
例えばPVC製のフローリング(いわゆるフロアタイル)は、温度変化による伸縮が大きい素材です。
そのため、接着剤を使用して床にしっかり固定する「ボンド貼り」施工が基本となります。
しかし実際には、PVC製の粘着フローリングや、はめ込み式のフローリングなどが数多く販売されています。これらは床にしっかり固定することができないため、PVC素材特有の伸縮を抑えられず、「突き上げ」や「すき間」などの不具合が起こりやすくなります。
このように、素材の特性と施工方法が合っていないことが、多くの失敗の根本原因です。
「突き上げ」や「すき間」が起こる
フローリングの
見極め方とは?
素材と施工方法の組み合わせに注目!
「ボンドで固定」が必須
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PVC・天然木など、温度変化による伸縮が大きい素材。
→しっかりと固定しないと伸縮に耐えられず、突き上げやすき間が発生するリスクあり。
粘着剤付き
PVC製フロアタイルはNG!
最近では、DIY向けフローリングとしてPVC製の裏面粘着タイプが多く出回っていますが、
このタイプはほぼ確実に、すき間や突き上げが発生します。
その多くは安価な海外製品で、日本のように寒暖差や湿度変化の大きい環境での使用を
想定していないため、季節の温度差によって不具合が発生するのです。
安定しやすい素材とは?
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発泡PVC・グラスファイバー層を持つPVC・SPC素材・MDFなど。
→伸縮が少なく、ボンドを使わなくても安定しやすい構造のものが多い。
これらはあくまで目安です。
実際には、同じ素材であっても製造方法や品質管理の違いによって、伸縮の度合いに差が生まれます。
だからこそ、きちんと検証を行い、素材の特性を理解した上で販売している
“信頼できる店”で購入することが大切です。
安さやデザインだけで選ぶと、思わぬトラブルにつながる場合があります。
施工中に発生したすき間は、
下地が原因かも?
商品選びのミスによるすき間は、
施工後しばらく経ってから温度変化によって起こるケースが一般的です。
しかし、施工中にすき間ができた場合は、
下地の凹凸や不陸が原因の可能性があります。
「貼ってはがせる」
フローリングなのに
原状回復できなかった・・・
「貼ってはがせる」と聞くと、つい安心して使ってしまいがちですが、実際には原状回復ができなくなるケースも少なくありません。
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×粘着タイプ
まず、「剥がせる粘着タイプ」。これはほとんどの場合、床面に粘着剤が残るためおすすめしません。
粘着剤は時間の経過とともに下地側に強く密着します。特に夏場は粘着剤が柔らかくなりやすく、短ければわずか1週間程度でも下地に粘着剤が残ってしまうことがあります。
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△吸着タイプ
「吸着タイプ」は床に粘着が残ることはありませんが、中には裏面の吸着材がフローリング表面のワックスを一緒に剥がしてしまう商品もあります。
ぱっと見では分かりにくいものの、光の加減でムラが目立ち、「元の状態」とは言えない仕上がりになることもあります。
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×マスキングテープ
マスキングテープを床に貼り、その上から床材を施工する方法が見られますが、賃貸物件など原状回復が必要な床では避けたほうが安全です。
マスキングテープはあくまで一時的な保護を目的としたもので、長期間貼ったままにすると粘着剤が劣化し、跡が残る恐れがあります。
賃貸には床に貼り付けない
フローリングが安心です
粘着や吸着など、床に貼り付けて固定するタイプのフローリングはどうしても原状回復が難しくなるリスクがあります。一方で、床に接着しないタイプのフローリングを選べば、床面に跡が残る可能性を大幅に減らすことができます。
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○はめ込み式フローリング
サネをはめ込みながら並べていく施工方法です。裏面には吸音パッドが付いており、床面に貼り付けない施工が可能です。床材同士をしっかりと固定していくためズレにくく安定感があり、原状回復も容易です。
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○置くだけフローリング
裏面には滑り止め加工が施されており、そのまま置くだけで簡単に施工できます。十分な重量があるため、床に貼り付けなくても安定性が高く、フラットでしっかりとした仕上がりを実現できます。
フローリングの厚みを
考えてなかった・・・
ドアが開かない!
見た目やデザインばかりに気を取られて、意外と忘れがちなのが“床材の厚み”です。
フローリングを既存の床の上に重ね張りしたとき。わずか数ミリの厚みでも、
ドアの下に引っかかってしまい、「ドアが開かない」といったトラブルが発生します。
例えば・・・
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ドア下のすき間
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クローゼット・収納扉
床材サンプルを取り寄せて、
確認しましょう!
カットサンプルを取り寄せれば、実際の厚みや断面の形状を手に取って確認できるため、施工前の不安を減らすことができます。
ただし、実際の施工では両面テープやボンドの厚みがわずかに加わることもあります。さらに、経年劣化によりドアが少しずつ下がってくる可能性もあるため、1〜2mm程度の余裕を見ておくと安心です。
最近では、厚さわずか1.5mmほどの超薄型フローリングも登場しています。
ドア下のすき間が狭い方はこのような薄型フローリングから選びましょう。
見たい方はこちらから
下地の凹凸によって、
浮きやすき間が発生した
ちゃんと貼ったのに、なんだか浮いて見える、すき間が空いている
そんなときは、下地の凹凸やたわみが原因かもしれません。
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「置くだけ」「貼るだけ」といった、フローリングを固定しない簡易施工タイプは、下地(もとの床)の凹凸やたわみをよりシビアに考える必要があります。
ぱっと見では平らに見えても、実際には床全体がわずかにたわんでいるケースがあります。特に築年数の経った住宅では、経年劣化によって床面に凹凸が生じている場合があります。
このような下地に施工すると、正確に並べているつもりでも少しずつひずみが生じ、最終的に継ぎ目のすき間や浮きが発生してしまうことがあります。
可能な場合はパテで補修しましょう
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深さ0.5mm以上の
凹凸があるとき
上貼り施工の場合一般的には表面の凹凸は0.5mm以下とされていることが多いです。小さな凹みや突起は、パテで埋めたり、削ったりして平らにしてから施工しましょう。
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既存床の継ぎ目と
上貼り床材の継ぎ目が揃うとき
既存の床の継ぎ目と上貼りフローリングの継ぎ目が同じ位置に靴路、その部分に段差や浮きが発生しやすくなります。パテで継ぎ目を埋めましょう。
補修できない場合は
サネのあるフローリングが安心です
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サネのないフローリングは、わずかなひずみがそのまますき間として現れることがあります。一方、はめ込み式フローリングのようにサネ同士をしっかり固定できるタイプなら、下地のわずかな湾曲による不陸(ふりく)があっても、すき間なく仕上げることができます。
※極端な湾曲や凹凸があるまま施工すると、仕上がりに不具合が生じる恐れがあります。
照明と画面で異なる
フローリングの色
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RESTAでは、商品写真が実物に近い色や雰囲気になるよう、専用モニターを使用して色調整を行い、実写画像を掲載しています。しかし、お使いのモニターや部屋の照明環境によって、画面上の色味と実物の印象が異なる場合があります。
実際、「画面で見た色と違った」というお声も、サンプルを取られなかったお客様から時折寄せられています。
こうしたイメージ違いを防ぐためにも、ご注文前にカットサンプルを取り寄せ、実際の色味を手に取ってご確認いただくことをおすすめします。
写真では伝わりにくい
実際の質感
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「フローリング」とひとことで言っても、その質感のイメージは人によって大きく異なります。
たとえば、天然木を使用した「挽き板フローリング」にオイル塗装を施したタイプは、さらっとした自然な手触りが特長です。一方で、木目柄を印刷した「シートフローリング」は見た目は木に近くても、表面はつるっとしていて、ややペタペタした質感になることがあります。
特にDIY用フローリングは化粧シート仕上げが多く、天然木とは全く異なる質感の商品も少なくありません。質感は写真ではわかりづらいため、失敗を防ぐにはカットサンプルの取り寄せが安心です。
カットサンプルのチェックポイント
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1.表面の質感
サラサラなのか、ペタペタなのか、実際に足を置いてみて感触を確かめましょう。靴下を履いた時の滑りやすさも要チェックです。
2.柔らかさ
見た目は同じでも、柔らかさが違う場合があります。中にはクッションフロアのような柔らかい質感ものもあるので好みに合わせて選びましょう。
3.印刷、エンボス精度
同じような木目柄でも、印刷の精度や表面の凹凸(エンボス)の仕上がりには差があります。細かい木目がはっきり表現されているか、凹凸が柄に合っているかなど、見た目のリアルさも要チェックです。
床暖房をつけたら
フローリングが
伸びて
突き上げた!
床暖房の上貼りは要注意!
きちんと施工方法を確認しましょう。
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フローリングを床暖房の床に施工する場合、その床材が床暖房対応であるかどうかの確認はとても重要です。対応していない床材を使うと、熱による膨張で床材が伸びてしまい、突き上げや浮きなどのトラブルが発生することがあります。
また、床暖房には使えるけれど、専用のボンドを指定されているケースもあるため、注意書きや施工マニュアルをよく確認してから使用しましょう。
フローリングの表面に
ボンドが付いて
取れなくなった・・・!
ボンドの種類や、塗布量の調整で
失敗を防ぐことができます。
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フローリング施工中によくあるのが、「うっかりボンドがフローリング表面についてしまった!」というトラブルです。
特に厚さ1.5mmほどの薄型フローリングは、ボンドがはみ出しやすい傾向があります。そのため、薄型フローリング専用にボンドの塗布量が調整されたヘラを使うのがおすすめです。
ただし、専用ヘラを使用してもボンドのはみ出しを完全に防ぐことはできません。DIY経験が浅い方は、特に注意しながら丁寧な作業を心がけましょう。
はめ込み式フローリングを
ボンド貼りしたら
サネが破損した!
ボンドやビス止めは不要で、サネを「カチッ」とはめ込むだけで
簡単に施工できる「はめ込み式フローリング」。
ただし、しっかり固定したいからといってボンドを使うのはNGです。
実はそれが原因で、サネ(はめ込み部分)が破損してしまうことがあります。
ボンドで固定するとどうなる?
度々話題にあがる「フローリングの伸縮問題」。
実はこれが、はめ込み式フローリングのボンド施工によるサネ破損に影響しています。
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通常施工の場合
通常施工では床材は固定されず、床材の継ぎ目でつながっています。そのため、冬場に床材が収縮すると全体が少しずつ縮み、結果的に壁際にわずかなすき間ができることがあります。
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ボンドで固定した場合
一方で、床材をボンドでガチガチに固定してしまうと、床材が縮もうとしても動けない状態になります。その状態で力が加わると、サネの部分が引っ張られて割れたり、外れたりしてしまうのです。
床材に合わせた正しい施工をしましょう
このように、簡易施工タイプの床材を逆にしっかり固定してしまうと、
一見安心に思えても、かえって不具合を引き起こす場合があります。
大切なのは、床材の仕様に合った正しい方法で施工することです。
必ず施工方法をよく確認のうえ、適切な手順で施工しましょう。
既存フローリングの目地が
表面に浮き出てきてしまった!
薄型フローリングは
既存床の目地と平行になるように
貼るのがポイントです!
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既存床の目地が上貼りフローリングの表面に浮き出てしまう主な原因は新しい床材の張り方向にあります。
上貼りフローリングを既存床の目地と直交に貼ると、下地のわずかな段差を拾いやすく、目地のラインが表面に浮き出て見えることがあります。
これを防ぐには、既存床の目地と同じ方向に貼るのが基本です。もし、向きを変えたい場合は、施工前にパテで目地部分を埋めて平滑に整えましょう。
貼った直後に歩いたら
ズレてしまった!
接着剤がしっかり固まる前に荷重をかけてしまうと、
せっかく貼った床材がズレてしまうことがあります。
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先ほど紹介したDIYに最適な変成シリコーン樹脂系接着剤は、拭き取りやすく扱いやすい一方で、初期接着力が弱いという特性があります。
そのため、貼った直後に歩いたり荷重をかけたりすると、フローリングがずれてしまいます。
なお、接着剤の種類によって初期接着力には差があり、一般的には以下の順になります。
ウレタン樹脂系 > アクリル樹脂系 > 変成シリコーン樹脂系
変成シリコーン樹脂系の接着剤を使う時は
施工後の逃げ道を確保しよう!
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変成シリコーン樹脂系の接着剤は、貼った直後はまだ固まりきっていないため、上を歩くとズレてしまう可能性があります。そのため、施工後しばらくは床に乗らないようにするのが基本です。
そこで大切なのが、施工前に「どこから貼り始めて、どこから退出するか」逃げ道を考えておくこと。これを忘れて出入り口側から貼ってしまうと、作業後に床を踏まずに出られなくなる…なんてことにもなりかねません。
たった一つの段取りですが、仕上がりをきれいに保つためにはとても大切なポイントです。
ボンドムラが原因で
継ぎ目に段差ができた!
ボンドヘラを
しっかり床面に押し付けて塗布する
ことで、
均一に塗ることができます。
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ボンドを均一に塗れていないと、場所によって床材の高さに差が出てしまいます。特に薄型フローリングではサネがない商品が多く、厚みの差も目立ちやすくなります。
ボンドを塗る時のコツは、ンドヘラをしっかり下地に押し当てながら塗ること。一般的なボンドヘラは、ギザギザした形状になっており、このくぼみに入る分量のボンドが「適切な塗布量」とされています。しかし、ヘラが浮いた状態で塗ってしまうと、厚みのムラが発生してしまいます。
剥がしにくいフローリングで、
次のリフォーム時に後悔・・・
上貼りに上貼りはできません。
将来を考えるなら張り替えやすい選択を。
上貼りフローリングの上に、さらに上貼り施工をすることは基本的にできません。
つまり、今回上貼りでリフォームを行った場合、
次にリフォームするときは、一度その上貼り床材を剥がしてから施工する必要があります。
将来のリフォームも見据えて、剥がしやすいタイプの床材を選ぶことが大切です。
張り替えやすい
上貼りフローリングの条件
ボンド施工をするときは、
変成シリコーン樹脂系接着剤を
選びましょう。
将来的なリフォームを考えている場合は、剥がす際に下地を傷めにくい変成シリコーン樹脂系接着剤を選ぶのがおすすめです。
サネが無いタイプは
部分貼り替えに便利です。
賃貸物件であれば、床を部分的に張り替えたい時もあると思います。サネがあるタイプは継ぎ目がすべて繋がっているため、部分的な交換が難しく、一面全て張り替えが必要になってし舞います。一方、サネが無いタイプは、傷んだ部分や汚れた部分だけをピンポイントで張り替えることができるので、メンテナンス性に優れています。
正しい知識で、後悔しない
上貼りフローリングDIYを
DIYでフローリングを施工するには、商品選びや施工方法についての理解がとても大切です。
今回ご紹介したような失敗も、ポイントを押さえておけば、しっかり防ぐことができます。
RESTAでは、DIY初心者の方にもわかりやすい施工ガイドや
商品の選び方コンテンツを多数ご用意しています。
DIYを成功させる第一歩は、“正しい知識を持つこと”。
自分に合った製品を選び、正しい手順で、後悔しないフローリングDIYを楽しみましょう。
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