
薄型フローリングが求められる背景を解説!
なぜ今、薄型フローリングが
選ばれるのか?
既存床の進化と施工ニーズの
変化
かつての住宅では床の不陸が当たり前で、フローリング施工には既存床の撤去と下地処理が必須でしたが、今や既存床のフラット化が進み「上貼り施工」が可能になりました。このページでは薄型フローリングが求められるようになった背景と注意点、おすすめの薄型床材を紹介しています。

薄型フローリングが
注目される背景
昔は「既存床を剥がしてから貼る」が
常識だった

リフォームにおいて、かつては既存の床に不陸(凹凸)があることが前提でした。特に築年数の経過した木造住宅では、経年劣化や構造上の理由により、床面の水平精度が不十分で、上貼り施工には不向きな状況が多かったのです。そのため、施工前には一度既存の床材をすべて剥がし、下地の補修や高さ調整を行った上で、新たな床材を施工するというのが標準的な流れでした。この手間とコストは、工期や予算の面でも大きな負担となり、「床リフォームは大がかりなもの」というイメージを定着させていました。
現代の住宅は「既存床の精度」が
高くなった

近年の住宅建築では、施工技術の進歩やプレカット部材の精度向上により、床面のフラットさが大幅に改善されています。とくにマンションや新築戸建てでは、建築段階から床仕上げの精度を高めることが標準化され、結果として施工後も不陸の少ない状態が長く保たれるようになっています。これにより、既存床を撤去せずとも新しい床材をそのまま上から施工する「上貼り工法」が可能となり、工期短縮やコスト削減にもつながっています。こうした背景から、既存床に重ねても段差が少なく施工できる“薄型”フローリングが、現代の住宅事情に適した選択肢として注目を集めるようになったのです。
進化する副資材と、
上貼り施工における注意点

両面テープの性能が飛躍的に向上

薄型フローリングの「上貼り施工」を支えるもう一つの進化が、両面テープなどの副資材です。かつての両面テープは、初期接着力に頼る場面が多く、接着面がザラついていたり湿気を含んでいたりすると、十分な密着力を得られないこともありました。しかし現在では、施工直後は仮止めのように軽く固定し、時間の経過とともに接着力が増していく「遅延接着型」や、床材の反りに追従する「高追従性」など、高機能タイプの床用両面テープが登場しています。
凹凸の少ない下地には「薄手タイプ」、不陸に強い「厚手タイプ」、再剥離性を備えた「片面再剥離タイプ」など、床材や施工環境に応じたテープの選定が可能です。これにより、ボンドに代わるものとして十分な接着力&保持力を発揮します。
さらに、木質系や樹脂系など、素材ごとの相性を考慮した専用設計の製品も多く、養生が不要で扱いやすいため、部分施工やDIYにも適しています。
こうした技術の進歩により、DIYユーザーでも失敗のリスクを抑えながら、既存床にフローリングをしっかりと固定できるようになりました。副資材の進化は、単なる補助材の域を超え、リフォーム施工の自由度を大きく広げる存在となっているのです。

上貼りする際の注意点
(L-45床材や床暖房への施工)

上貼り施工が可能になったとはいえ、すべての既存床材に無条件で適用できるわけではありません。とくに注意が必要なのが、L-45等級などの遮音(防音)フローリングと、床暖房対応の既存フローリングです。
L-45床材は特殊なクッション層を含む構造が多く、表面に柔軟性や沈み込みがあるため、重い家具の荷重で部分的に沈んだり、歪みによって両面テープが剥がれるリスクがあります。こうした床材に上貼りする際は、部分的に接着剤を併用する、荷重のかかる場所は避ける、などの工夫が必要です。
また、床暖房が施工された床にフローリングを重ねる場合は、両面テープで施工できない場合が多く、熱による床材の反りや接着材の劣化に注意しなければなりません。上貼りする床材側が床暖房対応製品であることはもちろん、使用する両面テープや接着剤が高温環境下で安定する仕様かどうかを確認する必要があります。加えて、熱伝導率や断熱性の高い床材を重ねると、床暖房の効率が落ちることもあるため、全体の熱効率にも配慮が必要です。
このように、上貼りの可否は既存床の種類や構造、機能によって大きく左右されるため、事前の確認と適切な材料選びが重要になります。
なぜ「薄型」である必要が
あるのか?
段差を抑え、
ドアや見切りとの干渉を防ぐため
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既存床に上貼りする場合、床材の厚みが増すと建具や見切り材との干渉が生じやすくなります。薄型フローリングはこうした干渉リスクを低減し、施工後の美観と利便性を両立できるため、特にリフォーム現場で重宝されています。
限られた天井高の中で快適さを確保
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集合住宅や既存戸建てなどでは、天井高に制限があるケースも多く、厚みのある床材を重ねることで圧迫感が出ることも。薄型であれば、室内空間を損なうことなくリフォームが可能です。
上貼り施工におすすめの
薄型フローリング・フロアタイル
一番薄い!
極薄1.5mm厚の上貼りフローリング
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ウスイータ USUI-TA 1.5mm
リフォームフローリング1.5mm厚の「ウスイータ」は既存床に両面テープで貼れる薄型リフォームフローリング。温かみのあるWPB(ウッドプラスチックボード)の基材と、木目柄・石目柄をプリントしたオレフィンシートの表面材を使用しています。接着剤で貼る床暖対応タイプや、ペット対応タイプも選べます。両面テープ、接着剤セットで便利。専用見切材もご用意しています。
m2あたり 税込5,005円~
賃貸OK!
原状回復が可能な薄型フローリング
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東リ LAYフローリング
ピタフィー貼ってはがせる東リの住宅用吸着床タイル!既存床に上貼りDIYできる2mm厚の薄型フローリングです。裏面吸着加工が施されているので、裏面の剥離紙を剥がして貼るだけの簡単施工!剥がした後もあと残りしないので原状回復が可能です。専用見切材もご用意しています。
m2あたり 税込3,267円 -
はめ込み式フローリング
クリックeucaRESTAのSPCクリック式フローリング「クリックeuca」は
はめ込んで敷いていくだけで床のリフォームができる
いわゆる接着剤を使用しないフローティング施工を採用。裏面はクッション性のある吸音パッド仕様で、床暖・土足対応!賃貸住宅はもちろんオフィス・店舗の床リフォームにもおすすめです。2019年に販売を開始したDIY床材人気NO.1を誇るロングセラー商品です。m2あたり 税込3,900円~
床材の厚みで選ぶその他の床材
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2~2.5mm厚
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2.5~5mm厚
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4~9mm厚
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1.8~2mm厚
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2.3~4.5mm厚
まとめ薄型フローリングは
“今の住宅事情”に
フィットする選択肢

時代とともに住宅の構造や施工技術は大きく進化し、従来の「めくって貼る」スタイルから、「既存床に重ねて貼る」スタイルへと発想がシフトしてきました。特に近年は、既存床の施工精度が向上したことで、床の状態が良好なまま維持されている住宅も増え、上貼り施工を前提としたリフォームが現実的かつ効率的な選択肢となりつつあります。
これに呼応するように、薄型で扱いやすく、美観や耐久性も備えたフローリング材やフロアタイルが次々と登場しています。また、副資材である両面テープや接着剤も進化し、DIYからプロ施工まで幅広い現場で、短期間かつ安心して仕上げられる環境が整ってきました。
さらに、賃貸住宅での原状回復を考慮した製品や、段差・開閉への影響を最小限に抑える極薄タイプなど、用途別に最適な床材を選べる時代です。単なる「薄さ」だけでなく、「どんな環境で、どんな目的で使うのか」に合わせて選ぶ視点が、これからのフローリング選びにおいてますます重要になります。
薄型フローリングは、現代の住宅事情と暮らしの多様性にフィットした、新しいスタンダードともいえる存在です。施工性・性能・仕上がり、すべてをバランスよく叶える製品を選んで、賢く、快適なリフォームを実現しましょう。

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