
DIYペイントの塗料選び水性と油性の違い
ペンキには主に水性と油性の2種類があります。乾燥するときに水分が蒸発するものが水性塗料で、有機溶剤が揮発するものを油性塗料と呼びます。なぜニオイの強い油性塗料を使用する必要があるのでしょう?
 

化学物質や化学製品の品質や取り扱い、保管に関する規制は世界中で高まりを見せています。環境を保護し、人間が安心安全に生活をするためです。
2016年6月に労働安全衛生法が改正され、化学物質のリスクアセスメントも義務付けられました。
ペンキはもともと油性だけでした。樹脂はシンナーなどの油性溶剤でしか溶けなかったためです。
水性ペンキの開発が進んだ主な理由は、油性ペンキにより発生した様々な問題をカバーするためです。
特に水性ペンキはエマルション系塗料の開発によって大きく進化しました。
エマルションとは樹脂成分を完全に塗料に溶かした状態ではなく浮遊させた状態で保管することです。
 

最も知られた特長としては「ニオイが少ないこと」でしょう。
それは、乾燥するときに水分が蒸発するだけだからです。一部の水性塗料は酢酸ビニル等を含むため少し酸っぱいにおいがすることもあります。
他の長所としては、
・室内環境基準F☆☆☆☆を満たしたものが多いこと。
・使用した道具類を水道水で洗うことができること。
・乾燥しても洗剤を使用すれば落とせること。(布や木材などの染み込む場所は例外。)
などが挙げられます。
 

油性ペンキの長所は、耐久性の高さと仕上がりの美しさです。
耐久性は、水性ペンキの耐久性が低いというわけではありませんが、油性の方が水性よりも耐久性・耐候性は高いです。
仕上がりの美しさについては、メーカーやペンキそれぞれの特性や色、下地にも左右されるため一概に言えませんが、油性ペンキの方が一度塗りでもしっかりきまる発色で仕上げやすいことが多いです。
耐久性の高い理由は、樹脂同士の結合方法の違いがあります。
水性ペンキれあれば、樹脂同士が手をつなぎあっているような状態。油性ペンキになると腕を組んでがっしりと絡み合うように結合します。
また、仕上がりの美しさの要素として重要なポイントが自己平滑性。これは、塗膜が自ら真っ直ぐになろうとする力のことです。
水性ペンキはハケで塗ったときにハケの跡が少し残ります。油性塗料は塗った直後はハケの凹凸がありますが、乾燥と共に凹凸がなくなり真っ直ぐな塗膜となります。
 
室内であれば水性ペンキがおすすめです。
ただし、フローリングなどの高い耐久性が必要となる部分は油性ニスやフローリングオイルを選択してください。
屋外でも水性塗料を使用することは可能です。乾燥すれば水に流れるということはありません。
ただやはり、耐久性が高いのは油性塗料です。特に直射日光が当たる面や、下地が鉄部で錆が発生しやすそうなところは油性塗料がよいでしょう。
特にトタンは専用の塗料を使用します。
 

有機溶剤を使用しているものが油性ペンキだと説明しましたが、困ったことに有機溶剤は1種類ではありません。
最も標準的なものは「ペイントうすめ液」で薄めるものです。DIY用の油性塗料の9割はこのタイプでしょう。
ほかのバリエーションとしては、ラッカータイプがあります。この溶剤はペイントうすめ液よりも溶解性能が高いことが特長です。
ラッカーを使用した塗料は美しい発色・ツヤを持った仕上がりとなるものが多いです。
基本的には「ペイントうすめ液」でうすめるタイプと「ラッカーうすめ液」でうすめる2タイプの油性塗料を覚えておけば大丈夫です。
 
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