木材の質感を残すための塗料木部用透明塗料の特徴-最も木の質感を残すのは?
テーブルや棚板などに使われる木材。その木目や色をきれいに永く使う保つには塗装が必要。しかし、塗装をすると木材本来の色合いや肌触りが変化します。オークやウォルナットの美しい色と木目、桧の良い香りなど、なるべく木材の良いところを残すために、最も優れた塗料とは…。
木部塗料は透明でも、木材の色が変わる
木材の表面に水分が含まれるのと同じ
透明な木部塗料と言えば、「ニス」が最も有名ですね。ほかにも、オイルやガラス塗料といったものがあります。
そのどれもが塗装時は液体で、乾燥すると木材の表面で透明の膜になったり、浸透して木材の中で固まります。
見た目としては、水に濡れた雑巾で木材を拭いて湿らせた状態と同じです。湿った木材は、色が濃く見えるはずです。
つまり、どんな透明の塗料でも、木材の表面に変化をもたらすため、全く木材の色を変化させないということは不可能です。
どうして色が濃く見えるのか?
塗装が乾いても色が濃く見える理由とは乾いた木材
表面の木目の凹凸により光が乱反射します。さらに窓などから入った光の一部も目に届くため、明るい色に見えます。
濡れた木材
濡れると木材の表面に水が入り平坦になるため、鏡のように直線的に光を反射します。反射する向こう側に光源がないと、濃く暗い色に見えます。
製材された木材の表面は、どれだけきれいに研磨されていても凹凸があります。(大工さんの高い技術でカンナ仕上げをすると、全く凸凹がなくなり、水分も吸わなくなるそうですが…今回はその場合を除きます。)
塗布後の色合いイメージ
木部塗料(ニス、オイル、ガラス塗料)で比較
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- 水性ニス
- ニスは木材の表面に透明の塗膜を作ります。そのため、肌触りや木の香りなどは全く再現できません。透明度は高いため、きれいな木目を残したいときにはベスト。また、ウレタンニスであれば耐久性もある程度高く、例えば子供の室内遊具などのDIY工作に最適です。
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- 油性ニス
- 水性ニスと同様に、木の肌触りや香りは失われる上、クリア色でも若干の飴色になることが多いので、塗装すると少し黄色味を帯びた色合いになります。耐久性としては最も優れているので、用途に応じて油性ニスを選択しましょう。
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- オイル
- オイルは、基本的に浸透して塗膜を作らないタイプが多くなります。クリア色でも飴色のものが多いため色は多少黄色くなります。オイルは乾燥する前に拭き取る工程があるため、乾燥後は木材表面の凸部分が露出され肌触りは元の素地に近くなります。オイルの種類には拭き取りを行わない半造膜タイプというものもあり、油性ニスの特徴と似ています。
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- ガラス塗料(セラミック塗料)
- 完全な無色透明で、造膜しないタイプです。つまり、木の質感や香りを最も残すのはこのタイプです。耐久性もオイルより優れており、木製テーブルであれば、2年に一回程度メンテナンスとして薄く塗り広げるだけ。ガラスの他にフッ素アクリルが固まるタイプなどもあります。
まとめ
やはり、耐久性があり実用的な木部塗料となると油性ニスがおすすめですが、木の質感を残すといった目的では推奨できる塗料ではありません。
毎年のメンテナンスに手間をかけ、程よい経年劣化を味わうならオイルがおすすめです。オイルタイプは5年くらいメンテナンスを続けていくととても良い質感に仕上がってきます。
木材の質感や色合いをなるべくそのまま残したいのであればガラス塗料のtataraシリーズが最もおすすめ。tataraシリーズには食器にも使える安全性があり、ヒノキ風呂の浴槽などにも使用できます。
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