水性ペンキの塗り方 壁や床にペンキを塗る
ペンキ塗りで最も達成感のある壁や床のペイントです。壁や床などの広い面を塗るときは、養生をきっちりとすることが一番重要です。ペンキが足りなくなったり、高いとこを塗るのに脚立がなかったりしないように準備作業をしっかりと行いましょう。
壁を1色に塗る
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壁を1色に塗るということは海外、特にアメリカにおいては当たり前のことになっています。つまり、欧米ではほとんどの人が躊躇なくできてしまう作業です。日本ではまだ馴染みがないために難しいのではないかとか失敗するんじゃないかと考えてしまうかもしれません。きちんと準備すれば壁一面くらい一人できれいに塗ることができるので安心してください。一つ注意すべきことは、ビニール壁紙にペイントするのであれば、壁紙に塗れる水性ペンキを使用することです。対応しない水性塗料を使用した場合、ビニールの可塑剤が塗膜ににじみ出て、ベタベタの塗膜になってしまいます。
STEP1
ペンキが塗れる壁紙か確認する
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目立たない所で試し塗りするのが一番確実です。はっ水や防汚壁紙はペンキをはじくため、非常に塗りにくくなります。
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セロハンテープによる確認
セロハンテープがしっかりと貼りつかない壁紙は、ペンキも密着しにくい可能性が高いです。写真ではわかりやすくするために色付きのテープを使用しています。 -
霧吹きによる確認
霧吹きで水をかけたとき、球状になって流れる場合は、はっ水性壁紙の可能性が高いです。水分がなじむようであればOK。
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STEP2
壁をきれいにする壁を雑巾などできれいにします。ホコリ、油分、ヤニなどを取り除きましょう。ヤニがひどいときはヤニ止めシーラーを使用するとよいでしょう。
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STEP3
マスキングテープで養生壁の周囲に沿ってマスキングテープを貼り付けます。窓やコンセントなども養生しましょう。
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STEP4
マスカーで養生マスキングテープの上に貼り、養生範囲を広げます。床面は踏んで破れやすくなるため、分厚いシートや新聞を敷いてもよいでしょう。
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STEP5
コーキングをする壁紙が凸凹である場合など、必要があればコーキングをしましょう。平らな壁であれば必要ありません。
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STEP6
ペンキを準備するペンキをよく撹拌しバケットなどに移します。重ね塗りする場合でも、1回分ずつ入れる方がよいでしょう。
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STEP7
ハケで隅を塗るマスキングテープを貼った境界線から3cmくらいをハケを使って塗りましょう。
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STEP8
ローラーで広い面を塗るローラーによく塗料を含ませてから広い面を塗っていきます。配って広げて整えることが重要です。
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STEP9
乾燥させる塗料の容器に記載されている重ね塗りのための乾燥時間を待ちましょう。1回できれいに塗れていれば養生を外してもOKです。
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STEP10
重ね塗りするSTEP7,8と同じようにもう一度重ね塗りをします。下地の色柄により、まだ透けている場合は、もう一度乾燥させて重ね塗りしましょう。
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STEP11
養生を外す乾燥を待たずに養生を外してもOKです。完全に硬化してからはがすと、テープに塗膜がくっつき、壁に塗ったペンキが剥がれることがあります。
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養生をはずすときの
ポイントテープにくっついて塗料が壁からはがれてしまうことを防ぐために、カッターで薄く切れ込みを入れるときれいにはがすことが出来ます。
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完成
2回塗りで完成です。下地の色柄が新しいペンキよりも濃い色や全く違う色の場合、透けてムラに見えることがあります。その場合は再度重ね塗りをしましょう。
ローラーで塗るときのポイント
壁面は広いため、全面にペンキを「配って広げて整える」のは難しい
いくつかのブロックに分けて仕上げていこう!
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STEP1
壁面をブロックに分ける上記のように壁面を複数のブロックに分けます。上段と下段の継ぎ目の高さは目線と異なる位置にしましょう。
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STEP2
端の上側から塗るブロック分けした1番の範囲にペンキを配ります。Wを描くイメージで縦方向にローラーを動かしましょう。
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STEP3
横方向に広げる横方向にローラーを動かして、ペンキを広げていきましょう。多少ブロックからはみ出ても問題ありません。
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STEP4
縦方向に整える上から下へと一方方向にローラーを動かして整えましょう。ローラーを離すときは動かしながらすっと抜くように離しましょう。
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STEP5
下のブロックを塗る下のブロックも、配りと広げる作業は上のブロックと同様です。これも多少他のブロックと重複しても問題ありません。
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STEP6
整える下のブロックは、下から上へと整えましょう。上のブロックと重複するところまでしっかりと塗ったら、ローラーを抜くように離しましょう。
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STEP7
隣の上の段を塗る隣の列も同様に塗ります。先ほど塗ったブロックとローラー1つ分の幅が重複するように塗るとよいでしょう。
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STEP8
順番に塗っていく残りのブロックを同様に塗っていきます。こうすることにより、ブロックごとの継ぎ目が目立たずに仕上げることが出来ます。
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水性ペンキ
NaviaならNaviaであれば、上記のようにきちんとブロックごとに塗らなくても、半乾きになる前に薄く塗り広げれば、きれいに仕上がります。
床を1色に塗る
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床にペンキを塗る場合は、床に塗れるペンキであることが重要です。水性塗料の多くは床には対応していません。床にペンキを塗るということは、汚れが付きやすく剥がれやすいということを認識しておいた方がよいでしょう。特に下地処理が重要で、密着性を上げるために、#80のやすりで研磨し十分に足付け作業をしましょう。塗るときのポイントとしては壁塗りと同様です。ただし、塗り終わったときに部屋から出られるように、塗る順番には注意しましょう。
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STEP1
床をきれいにする床の隅にはほこりや汚れが溜まりやすいため、入念に掃除しましょう。マスキングテープを貼る部分もきれいにしておきます。
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STEP2
マスキングテープで養生床の周囲をマスキングテープで養生します。テープが付きにくい素材には、温めながら貼るとくっつきやすくなります。
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STEP3
マスカーで養生マスキングテープの上にマスカーを貼って養生範囲を広げましょう。シートの静電気のくっつく力を使うと簡単に広げられます。
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STEP4
コーキングをする必要に応じてコーキングを施しましょう。床についたコーキングは、ペンキごと剥がれやすくなるため、きれいにふき取りましょう。
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STEP5
ペンキを準備するペンキをよく撹拌しバケットなどに移します。重ね塗りする場合でも、1回分ずつ入れる方がよいでしょう。
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STEP6
ハケで隅を塗るマスキングテープを貼った境界線から3cmくらいをハケを使って塗りましょう。床の隅は厚塗りになりやすいため注意しましょう。
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STEP7
ローラーで広い面を塗るローラーによく塗料を含ませてから広い面を塗っていきます。配って広げて整えることが重要です。無塗装フローリングの場合は1枚ずつ塗っていくと、きれいに仕上がります。
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STEP8
乾燥させる重ね塗りや養生を外すにはペンキを塗った床を踏む必要があります。十分乾燥するまで待ちましょう。塗り終わった後、端材にペンキを塗って乾燥確認用にすると便利です。
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STEP9
重ね塗りをする木材フローリングで、木目の質感を少し残すのであれば、1回塗りでもよいでしょう。ムラや木目が気になるなら重ね塗りをしましょう。
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STEP10
養生を外すテープに乾燥した塗膜がくっついて、床の塗膜まで剥がしてしまう可能性があります。テープと床の境目に薄くカッターで切れ込みを入れるとよいでしょう。
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CHECK!
木目をもっと強調するなら水性ペンキを水で2倍に希釈します。塗膜の強度は全くなくなりますが、木目を生かしたステイン仕上げにすることができます。無塗装木材にのみ使えるテクニックです。
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Attention!
剥がれや汚れはつきもの床は踏むところであり、さらにはホコリもたまりやすい場所です。そのため、剥がれや汚れが発生しやすくなります。その場合は、塗り重ねることでメンテナンスしましょう。
床の素材ごとのポイント
塗り方は無塗装の板を塗るのと同じ!
重要なのは床の素材に適した下地処理!
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塗装済みフローリング ニス仕上げ
床に使用されているニスは非常に硬く、滑らかな表面をしています。このまま水性ペンキを塗ってもすぐに剥がれてしまいます。ニスを全て除去するのが一番良いですが、非常に根気のいる作業です。全て除去するには研磨をするか、剥離剤でニスを溶かす方法があります。ただ、木の質感を出さなくてよいのであれば、#80のやすりでニスのツヤが完全になくなるまで研磨すれば、密着性が上がり水性ペンキが剥がれることは少なくなります。
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塗装済みフローリング オイル仕上げ
フローリングには、半造膜タイプと呼ばれる塗装がされているものがあります。浸透性の高い保護オイルを木にしみこませて、木の質感を残しながらも水分をはじく性質を持たせています。つまり、水をはじくため水性ペンキもはじいてしまいます。水性ペンキをしっかりと塗るためには、オイルのしみ込んだ木の層を研磨して剥がす必要があります。層の厚さは木材の種類やオイルによって変わりますが0.3mm程度です。試し塗りをしながら、少しずつ研磨の厚さを探りましょう。
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コンクリート
コンクリートは表面が凸凹しているため、水性ペンキの密着性という点では非常に相性が良く、研磨作業をする必要はありません。ただ、コンクリートはその素材によってアルカリ性が強く、水性塗料の塗膜を変質させてしまう可能性があります。そのため、アルカリシーラーと呼ばれる下塗り塗料を塗ることにより、アルカリ分が水性ペンキの塗膜に移行することを防ぐことができます。また、コンクリートは一般的に固まってから1ヶ月間は何も塗ってはいけないと言われています。
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クッションフロアなどの樹脂製床材
クッションフロアやフロアタイルなどの樹脂製の床については、その素材や機能が多様であるため下地処理の方法を1つにまとめることができません。塗ることができない条件としては、はっ水性の床や防汚性の床には水性ペンキは塗れません。柔らかい床、つるつるの床には塗ることができますが、剥がれやすくなります。試し塗りをしてみるのが一番良い判断材料になります。塗れないところは、乾燥後であっても水ぶきで簡単に落とすことができます。
使用したペンキ
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RESTAオリジナル水性塗料のNaviaです。ビニール壁紙と床の両方にペイントできる唯一の塗料です。ムラになりにくいマット仕上げで、誰でも簡単にきれいに仕上げることが出来ます。
