クリックeucaと他のSPC製クリック式フローリングの違い

ロングセラーには訳がある! クリックeucaと他のSPC製
クリック式フローリングの違い

RESTAのSPCクリック式フローリング「クリックeuca」は、2019年に販売を開始したロングセラー商品です。クリック式フローリングは、一般的な樹脂製床と異なった接着剤を使用しないフローティング施工のため、製品そのものの品質をごまかすことができません。このページでは、RESTAの製品と他社製品との違いを詳しく紹介します。

click eucaと他社製品の違いを詳しく解説します!
click eucaと他社製品の違い
  • 施工実験・検証
  • 実際に施工実験・検証を繰り返し
    製品開発に努めています。

    施工性や下地との相性を何度も検証。さらに、内装工事を請け負うリフォーム部門の現場経験とお客様の声も反映しながら、私たちは常に「現場で本当に使えるかどうか」を基準に開発を進めています。さらに、初めてでもDIYできるHOWTOコンテンツも公開しています。

クリック形状と精度への
こだわり

Valinge社5G-iタイプの採用

  • クリック式フローリング
  • クリック式フローリングには、さまざまなクリックタイプがあります。RESTAでは、5mm厚の樹脂製フローリングにおいて、Valinge社の「5G-i」またはUNILIN社の「UNI-PUSH」というクリック形状が最適であると考え、採用しています。これらのクリック形状は、はめ込みが容易で、取り外しや再施工もしやすいことがメリットです。

クリックの製造精度が求められる5G-i

  • 5G-i
  • 5G-iは、クリック部分を上から押し込んではめ込むタイプであり、わずかな誤差によって「スカスカ」になったり、「はまらない」状態になることがあります。精度0.1mm以下が求められるため、非常に製造が難しいクリック形状です。そのため、このクリック形状を製造できる工場はごくわずかです。その中で、RESTAのクリックeucaは、高いクリック精度を実現しています。

適切な製造方法を管理することで
生まれる精度

樹脂系の床は、一般的に大きな板を作ってからそれぞれ1枚のサイズにカットされます。その過程でクリック形状の精度を上げるためには、「養生」期間がとても大切になります。

大まかな製造過程
  • 大判の製造
    大判の製造

    SPCはEXTRUSION(押出成形)という製造方法で作られ、押し出された長い板は、最初にフロアタイル6枚分のサイズで作られます。

  • 養生
    養生

    その大きな1枚をフロアタイルの形にカットする前に、適切な温度と期間をもって静置します。この時に製品素材が安定した状態となります。

  • カットとクリック成形
    カットとクリック成形

    養生期間が終わると、かなり精度の高いカット機とクリック形状を作る切削機によって、クリック式フローリングの原型が出来上がります。

クリックの精度を高める為の
「養生」について

「養生」を行わない、または「適切な養生」が施されていない場合、クリックの精度が低下します。養生とは、押し出し成形時に樹脂が高温で加工される際に発生する内部応力を安定させるための工程です。成形時、材料内部には「応力」と呼ばれる、特に素材が縮む方向の力が生じます。素材を急激に冷却すると、反りや曲がりが発生し、内部温度が下がっても応力が継続するため、収縮が進行します。この内部応力がほぼゼロになるまで静置する工程が「養生」と呼ばれ、製品の安定性を確保するために非常に重要です。しかし、一部の工場では大量生産を優先し、養生のためのスペースを十分に確保せず、不安定な素材のままクリック形状を加工する場合があります。その結果、精度の低いクリック製品が出荷されることがあります。RESTAでは、このような問題が発生しないよう、製造工程を厳格に管理しています。

温度変化に対する膨張率を徹底管理

  • 5G-i
  • クリック式フローリングは接着剤を使用しないため、単に床の上に置く形で施工されます。一方、接着剤で固定する場合は、フロアタイルが伸びたり反ったりしても安定した状態を保つことができます。樹脂は温度変化に対して寸法変化が大きい素材です。
    この温度変化による寸法の変化率は「線膨張係数」と呼ばれます。この数値が低いほど、フローティング工法に適した樹脂製フローリングとして優れた特性を持つことを意味します。

SPC素材でなくてはならない理由

置き敷タイプのJIS合格基準

日本では、フローリングは主にPVC製とSPC製に大別されます。特にSPCは、PVCに炭酸カルシウム(石)を混ぜて製造されるため、寸法安定性が高いと謳われることが一般的です。しかし、実際には必ずしもそうとは限りません。PVC製とされる製品にも、SPCと同程度、あるいはそれ以上の炭酸カルシウムが含まれている場合があります。
両者の違いは、主に製造方法と可塑剤の含有量にあります。PVC製とされる製品には、柔軟性を持たせるために多くの可塑剤が含まれており、その結果、線膨張係数はSPCに比べて2倍以上になることがあります。
そのため、クリックeucaではSPC素材を採用し、さらに可塑剤を一切添加しないなどの工夫を施すことで、線膨張を最小限に抑えています。その結果、膨張率は1.5~2.0×10⁻⁵前後に抑えられています。なお、日本のJIS規格では、6.0×10-5以下であれば合格となるため、他のクリック式フローリングがJIS規格に適合しているからといって、必ずしも寸法安定性が高いとは限りません。注意が必要です。

SPC素材へのこだわり

製品の安定性を維持するため
リサイクル原料は使わない

  • 100%新品のPVC原料のみを使用

    実際のPVC原料

    PVCのリサイクル原料は一般的に使用されます。しかし、不純物が不安定に混ざるため、同じ製法で製造しても毎回異なる特性のフローリングができてしまいます。そのため、クリックeucaではリサイクル原料を使用していません。

  • 品質の安定した炭酸カルシウム

    実際の炭酸カルシウム原料

    炭酸カルシウムは化学的に合成されるものではなく、天然石から採取・加工されます。そのため、使用する原料によって品質にばらつきが生じることがあります。クリックeucaの工場では、原料を毎回チェックし、品質のばらつきがないことを確認した上で製造を行っています。

  • リサイクル原料
  • リサイクル原料の見分け方

    リサイクル材料を使用すると、原材料にさまざまな色が含まれるため、真っ白なベース層を作ることができません。RESTAのクリックeucaは、純白のベース層を採用しています。フローリングの目地が見えた際に目立ちにくくするため、あえて着色されている製品もありますが、クリックの精度が高ければ、そもそも目地が目立つことはありません。

有害物質不使用

フローリングは、人が最も直接触れることの多い内装仕上げ材であるため、
安全性を十分に確認しています。

  • ホルムアルデヒド

    ホルムアルデヒド

    日本の法律では、樹脂製床材にはホルムアルデヒドがほとんど含まれないため、試験義務はありません。しかし、RESTAでは日本国内できちんと検査を行い、最高等級であるF★★★★を取得できるレベルであることを確認しています。

  • アスベスト検査済み

    アスベスト検査済み

    中国ではアスベストに関する規制がなく、一般的な製品にも安定性向上やコスト削減の目的で使用されることがあります。しかし、RESTAのクリックeucaにはアスベストが含まれていないことが確認されています。

  • 可塑剤は不使用

    可塑剤は不使用

    素材に柔軟性を持たせるため、一般的にDnOPと呼ばれる可塑剤が使用されることが多くあります。日本では規制がありませんが、EUやアメリカでは使用が制限されています。しかし、クリックeucaは可塑剤を一切使用せず、フローリングに必要な最低限の柔軟性を実現しています。

クリックeucaには、製品の安定性を高めるための特殊な添加剤が使用されています。
しかし、世界基準であるREACH規則などに従い、すべての添加剤が安全であることを確認しています。

クリック式フローリングの
裏面パッドの役割と素材

吸音のためのパッドではない

  • 裏面パッド
  • 多くのクリック式フローリング製品には「吸音パッド付き」として販売されているものがあります。しかし、この裏面のパッドには一定の吸音効果があるものの、それ以上に重要な役割を果たします。その役割とは「不陸調整」です。
    SPCのような硬質フローリングの場合、下地にわずかな湾曲(不陸)があると、施工後に荷重がかかった際にクリック部分へ強い力が加わり、外れたり破損したりする可能性があります。裏面のパッドは、この歪みを吸収し、クリック部分への負担を軽減する役割を持っています。

フローリングに使われる
裏面パッドの主な種類

SPCフローリングの裏面パッドには、主にIXPE(架橋ポリエチレンフォーム)またはEVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)の2種類が一般的に使用されています。その他の素材としては稀に、フェルトやコルクが採用されることもあります。

  • IXPE(クリックeucaで使用)

    IXPE(クリックeucaで使用)

    密度が高く、へたりにくい特性があり、長期間にわたってクッション性を維持できる点が最大の特徴です。また、耐水性にも優れています。ただし、EVAと比較すると価格は高くなります。

  • EVA

    EVA

    EVAは、ビーチサンダルにも使用される素材です。下地の不陸を調整するには、1mm厚では不十分であり、最低でも1.5mmの厚みが必要とされます。防音性能に関しては、IXPEより優れている傾向があります。また、木質(HDFやMDF)のクリック式フローリングに採用されることが多い素材です。

表面層へのこだわり

  • クリック式フローリングの構造
  • 一般的なクリック式フローリングは、図のような構造になっており、2種類の異なる役割を持つ透明層が存在します。
    第一層は、塗装による層で、主に防汚性能の向上と艶の調整を目的としています。
    第二層は耐摩耗層で、厚みが増すほど耐摩耗性が高くなるとされています。しかし、単純に厚みだけで比較することはできず、詳細については次の「耐摩耗層」の項目に記載している注意点を考慮する必要があります。

第一層:UV硬化ウレタン塗装

  • 実際に使われているUV塗装硬化装置
  • 一般的に「UV塗装」と呼ばれるこの層は、硬く透明度の高いウレタン樹脂でコーティングされています。「UV塗装」という名称から、紫外線から床を保護する塗料と誤解されがちですが、実際には紫外線によって硬化する塗料であり、一般的には紫外線を防ぐ機能はありません。
    しかし、クリックeucaのUV塗装膜には、紫外線による劣化を防ぐ機能が付与されています。そのため、第二層である透明PVC層の黄変や、カラー印刷フィルム層の色あせを防ぐ効果があります。

第二層:耐摩耗層

  • 実際に使われている耐摩耗層
  • RESTAのクリック式フローリングには、硬質PVCが使用されています。
    ナチュラル、ビンテージ柄は0.2mm、ベーシックは0.3mm、ストーン柄は0.5mmとなっています。耐摩耗レベルとしては、AC1~3クラスとなり、用途に応じて様々なシーンでご使用いただけます。

ACレベルについて

ACレベル(Abrasion Class, AC Rating)は、フローリングの耐摩耗性(Abrasion Resistance)を示す国際基準です。特に、ラミネートフローリング(HPL、CPL)やSPC/LVTなどの硬質ビニル系フローリングに適用されることが多く、欧州規格(EN 13329)に基づいて設定されています。
RESTAのクリックeucaは、この試験規格に準拠し、耐摩耗性の試験を実施しています。他のSPCフローリングでは、透明層の厚みのみが記載されている場合がありますが、実際には使用される素材によって耐摩耗性能が異なります。そのため、ACレベルが明記されていない場合は注意が必要です。

※ACレベルは傷の付きにくさの目安ではなく、印刷層へ傷が達しにくいという指標です。

RESTAの倉庫での品質管理

  • 実際に使われているクリックを切る切削金物
  • 特にクリックの精度については、切削するカッターの摩耗によってクリックの精度が劣化します。RESTAでは入荷があるたびに全ての製造ロットでクリック部分が問題ないかをチェックしてから販売しています。また、工場においても通常より早いサイクルでクリック部分の切削用のカッターを交換するようにしており、精度の高いクリックを維持しています。

施工のための多くの
オリジナルコンテンツ

実際の製品を使って撮影したコンテンツです。RESTAのスタッフが自ら施工することで、
施工の上でお客様が困りそうなことや施工ポイントなどを詳しく紹介しています。

専用工具の開発

DIYが簡単で楽しくなる!RESTAオリジナル工具を開発
RESTAオリジナル工具
工具

クリックeucaは海外ではDIYとしてかなり普及しているフローリング製品です。そのため、基本的に特殊な工具は必要ありません。ただ、あった方がより快適に施工が出来るという施工道具もオリジナル品として開発しています。特に、SPC素材を折る専用フォールダーは、RESTAでしか販売されていない特殊な道具です。

まとめ

RESTAのクリックeucaは、SPC製クリック式フローリングが日本市場にほとんど存在しなかった時期に先駆けて販売を開始し、長年にわたり多くのお客様のフィードバックを反映しながら改良を重ねてきた製品です。
商品スペック上は他の類似製品と同様の表記になることがありますが、スペックには表れない重要な床材としての性能において大きな違いがあります。この違いが、施工者にとって「施工しやすい」や「仕上がりが美しい」といった高い満足度につながると考えています。
今後もクリックeucaは、より良い品質を追求し、さらなる改良を続けていきます。

© 2025 RESTA. 無断転載を禁じます。
All rights reserved.

  • 仕入れ開発担当
  • このページを書いた人

    株式会社RESTA

    仕入れ開発担当:
    小林

  • これまでに50社以上のSPC製クリック式フローリングを確認してきました。製品スペックが同じでも、実際に施工してみると大きな違いを感じることがあります。その中でも特に品質の優れた工場と協力し、製品の改良を継続的に進めています。

  • 外営業部長 RESTA製品 品質管理責任者
  • このページを書いた人

    Haining Boyumutong Decoration Material CO.,Ltd

    海外営業部長 RESTA製品 品質管理責任者:王さん

  • SPCフローリングの専門家。また、世界の経済事情や特にアメリカでの市場に精通しています。営業担当でありながら、素材からの製品開発も行い、使用者と製造者の2つの目線を持っています。この工場の製品は、アメリカでも最高レベルの評価を受けています。また、RESTAとは永年にわたり日本市場における独占供給契約を結んでいます。決して大手工場ではありませんが、小回りのきく製品開発を行っています。

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公開日 

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