パンチカーペットの素材 不織布について
パンチカーペットは繊維を織らずに絡み合わせているので不織布と呼ばれています。このページでは不織布の仲間やその他の用途、使用されている素材についてご紹介します。
不織布とは?
パンチカーペット(ニードルパンチカーペット)は不織布といわれます。
ではいったい不織布とはなんでしょうか?

読んで字のごとく"織らない布状のもの"をいいます。ふつう布状のものは織ったり編んだりしてつくります。これに対し不織布は、繊維を一定方向やランダムに集積して接着樹脂で化学的に結合させたり、機械的に絡ませたり、圧力をかけた水流で絡ませたりして結合させてつくります。
パンチカーペットは、正式にはニードルパンチカーペットと呼ばれます。フリースを高速で上下するニードル(針)で繰り返し突き刺し、ニードルに刻まれたバーブという突起により繊維を絡ませてつくられます。

パンチカーペットに似た素材としてフェルトがありますが、これも不織布の一種です。フェルトは、羊の原産地ヒマラヤ山脈からチベットにかけて、遊牧民が羊の毛がもつれているのを見て、これを人工的につくることを試みたのが始まりだと言われています。
不織布はポーラス(多孔質)構造になっており、通気性・ろ過性・保温性などの性質があります。また、必要に応じて機能と形状を自由自在に設計できることが最大の特長です。
不織布の素材
パンチカーペットの属する不織布には、多種多様な繊維を使用することができます。
天然繊維
- 綿
- ワイパー、医療用途に展開されています。
- 羊毛
- 羊毛フェルトとして親しまれています。
- 麻
- 近年、不織布の原料として利用され始めました。また、麻以外にもケナフ、バナナ、バンブー(竹)繊維などが新しい原料として注目されています。

化学繊維
- レーヨン
- 吸水性が要求される衛生材やナプキンに多く使われています。
- ナイロン
- 不織布では衣服の芯地や研磨材(たわし)などに使用されています。
- ポリエステル
- 一般的にPETと呼ばれ、不織布で使用される割合が非常に高い繊維です。衣料用としても大量に使われています。
- ポリプロピレン
- 紙おむつなどに使われ、飛躍的に使用が拡大しました。一般的にPPと呼ばれます。

その他の繊維
- ガラス繊維
- 寸法安定性に優れ、耐熱性や絶縁性を必要とする用途に使われています。
不織布の用途
パンチカーペット以外にも不織布は実に多くの用途で使われています。
- 衣料
- 衣料部品(芯地、接着芯地、中綿など)
- 防護
- 防護用品(安全靴、作業手袋、防煙マスク、防じんマスク、防毒マスク)
- 医療
- 手術着、覆布セット、お産用パット、キャップ、マスク
- 建築
- ルーフィング、タフト・カーペット基布、結露防止シート、壁装材、防音材、防振材、木質材、養生シート
- 土木
- ドレン材、ろ過材、吸出し防止材、分離材、遮水シート
- 車両
- 自動車内装(フロアマット、ドアトリム、トランクマット、天井成型材、吸音材、防振材など)、自動車部品(エアクリーナーなど)
- 衛生
- おむつ(紙おむつ、おむつカバー)、救急用品(ガーゼ、救急絆創膏、綿棒)、おしぼり、マスク
- インテリア
- カーペット(カーペット基布、タイルカーペット、電気カーペット、マット基布、アンダーカーペット)
- 家具部材
- 建具(障子紙、畳関係、ブラインド)、壁紙、装飾品(ペナント、ロールスクリーン、造花)
- フィルタ
- 空調フィルタ(粗塵用、中高性能用、超高性能用)、掃除機用フィルタ
- 農業・園芸
- ビニールハウスシート、苗床用シート、べたがけシート、防霜シート、遮光シート
- 皮革
- 人工皮革用基布、合成皮革用基布
- 工業資材
- 工業資材(研磨材、水切り材、断熱材、防音材、防振材)、線押え巻きテープ、AV機器(スピーカー振動板、吸音板)
パンチカーペットによく使用されている素材

パンチカーペットによく使用されている素材はポリエステルやポリプロピレンです。
裏面が加工されている商品は、その裏面加工の素材に合成ゴムフォーム等が使用されている場合があります。
ポリエステルってどんなもの?
ポリエステルとは合成繊維の一種です。耐久性が最も優れています。シワになりにくく、耐久性に優れているので衣類にもよく使用されています。
- ポリエステルの特長
-
- 耐久性がある(ナイロンに次ぐ)
- 高い温度にも耐えられる、耐熱性が高い
- しわになりにくい
- 吸湿性が低い
- 速乾性がある
- 丈夫で型崩れしにくい
ポリプロピレンってどんなもの?
プラスチックの一種。ポリプロピレンとはプラスチックの中で最も比重が軽い素材です。名称はポリプロピレン樹脂、PPと呼ばれることが多く、主にキャップやトレイに使用されています。油を吸着する特長があるので工場の通路に敷く床材として、ポリプロピレン織物のパンチカーペットが使用されています。
- ポリプロピレンの特長
-
- 速乾性に優れている
- 耐久性に優れている
- 軽くて安いので衣服に多く使われている
- 熱に弱い
- 熱可塑性に優れている
- 汚れが付きにくい
不織布のメリット
- 繊維を紡糸する必要が無いので低コスト!
- 不織布は繊維をそのままシート状にできるので、織物や編物のように繊維を紡糸する必要がありません。このため、織物や編物にくらべて低いコストが実現できます。
- 様々な機能性を付与することができる!
- 不織布特有の性質(ろ過性、保温性、通気性)に加え、原料や製法の組み合わせによって様々な機能を付与することが出来ます。

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